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 ”地域づくり”現地ルポ

■ 「人間牧場」 (愛媛県伊予市双海町)  
   「人間牧場」は、伊予市双海町(ふたみ)で、”夕日”をコンセプトに”地域づくり”を成功させた人が、「人・家族・地域の再生」をテーマに、開いた”私塾”です。ここには、毎年、全国から多くの人が集まってきて、学習をしたり、体験をしたりして、”人づくり・地域づくり”のノウハウを学んでいます。
   「Oh!元気 ねっと」では、「人間牧場」が過疎に悩む地域のまちづくりを一歩も二歩も前へ進めてもらおうと、”地域づくり”に携わっている人々を応援するばかりでなく、多くの人たちを受け入れ、リフレッシュさせ、元気にする場として注目しています。
 「人間牧場」の牧場主の横顔
  「人間牧場」の牧場主(私塾の塾長)は、若松 進一さん(わかまつ・しんいち)(1944年10月生まれ)です。
  若松さんは、市町村合併で伊予市になる前の双海町役場で、”地域づくり”の指揮を取っていた地域振興課長時代に、日本の多くの自治体がアピールしているその土地の”夕日”について、北海道から九州まで全国各地を回って”夕日”を見てきた結果、どの地域も”夕日”を”地域づくり”に十分生かし切っていないうえ、瀬戸内海を一望できる双海町の”夕日”が最も素晴らしいということに着目しました。
  そして、双海町の再生は”夕日”しかないという強い信念のもと、仲間づくりを進めたうえ、多くの住民のコンセンサスを取り付けて、”夕日”が見える町の中心部の海岸一帯をまちづくりの拠点にすることにし、公園や特産品の販売店をなどを整備する一方、海に最も近い駅などと銘打ってコンサートをやってのけるなど、地域のイメージを高めるイベントを次々に実行して、過疎の町をよみがえらせることに成功し、今では55万人(年間のべ)の観光客が訪れる町に発展させました。
  このまちづくりは”夕日”というほかの地域では真似できない、日本で唯一(オンリーワン)の”地域づくり”の例として平成15年に国土交通省の「観光カリスマ」に選ばれています。
   若松さんは、町の教育長なども勤められましたが、定年後も”地域づくり”のエキスパートとしてエネルギッシュに全国を飛び回る活躍を続けています。そんな中、2006年(平成18年)4月からは、「人間牧場」という名前の施設を自費で整備しました。
 「人間牧場」の概要

瀬戸内海に面した双海の夕日
▽ロケーション
  「人間牧場」は、町の下灘地区の標高130mの高台に建設され、ここからは「瀬戸内海を一望できる双海の夕日や海岸線」が眺められます。ここには、「水平線の家」、「ロケーション風呂」、「ツリーハウス」などの施設のほか、「子ども農場」なども整備されていて、子どもから大人まで、個人や家族、それにグループなど幅広い人々を受け入れて、それぞれのニーズによって、”地域づくり”について学んだりできるほか、植物を植えたり、夕日を見ながら風呂につかったり、ピザを焼いて食べたり、かまどで煮炊き出来るなど、さまざまな体験や学習ができるようになっています。
  ▽目的 
 
家族グループで収穫祭
  若松さんは「人間牧場」を開設した目的として、次の3点をあげています。
①「自分の過去を検証し、未来に向けての生き方を考える」
②「家族との向かい合い」
③「地域へのお返し」
  「人間牧場」開設の背景には、地域の連帯感が薄れ、人のことに気づかいが出来なくなって、自分のことしか考えられない幅の狭い考えの人が増えてきたいわゆる”社会のひずみ”を少しでも解消できないものかという思いから、牧場の中に身を置いてもらい、自分の人生を振り返って未来に向けて何ができるかを落ち着いた雰囲気の中で考えてもらう一方で、人・家族を愛し、何か自分として達成できるものを探して社会活動に加わり、地域への恩返しとして過疎に悩む地域再生に取り組む、いわゆる”地域づくり”のためにリフレッシュして元気を取り戻し、残りの人生を頑張ってほしいという若松さんの願いが込められています。    
   「人間牧場」の施設内では、定期的に”地域づくり”に取り組んでいる各地の関係者の勉強塾、子どもたちが農業体験などさまざまな体験をする場所として利用されていますがこのほかに、さまざまな人たちがそれぞれの目的を持って集まる会合などで、施設が利用されています。
 「人間牧場」の活動
 
素晴らしいロケーション!”学習会”
▽定期のもの
  定期的行っている活動は2つです。
①「年輪塾」(年4回)
参加者は、若い人から高齢者まで幅広い層の人たちで、”地域づくり”についての勉強会だけでなく、時にはピザを焼いたり、お餅をついたりして、ゆっくりと時間が流れる中、リラックスした交流を深めあったりしています。

②「ふるさと体験塾」(ほぼ毎月1回)
明日を担う子どもたちに対する自然体験は、この牧場の大きな狙いです。自然や昔の体験をしてもらい、自然の恵みや先人の残した多くの知恵を学んでもらおうというものです。子どもたちは、およそ40分の道のりを途中自然観察をしながら歩いて牧場にやってきます。

高座で落語を演じる「若松 進一さん」  
▽定期でないもの
  ここを利用する人々は、個人、家族、グループなどさまざまな形で利用されています。俳句の会や寄席の会など趣味の活動も活発です。
 
▽移動塾 
  人間牧場の事業が手すきのときには、牧場から移動して行われる塾「移動塾」や各種会合などの講演や講師として出かけることも少なくありません。エキスパートの”地域づくり”をはじめとして、青少年問題、女性の活動、高齢者問題、生涯学習など幅広い部門で講師や講演などを行っています。
   牧場には、このようにさまざまな人たちが、さまざまな目的をもってやってきますが、若松さんの”地域再生・地域づくり”のやり方を学ぼうとやってくる人は少なくありません。 
”地域づくり”成功させる3点セット

オンリーワンの”夕日”を演出
  ▽人づくり
  若松さんの「人づくり」の原点は、”豊かな時代に育った子どもたちを郷土の自然の中でさまざまな体験をさせ、健全育成を図らなければならない”という思いに賛同した地域のさまざまな職業の仲間たちとともに結成した「二十一世紀えひめフロンティグループ」にあります。若松さんは、このグループの代表として、子どもたちに対して、さまざまな体験計画を仲間と議論を重ねて練り上げて「実行」、多くの子どもたちを育て、親と子どもの隙間をなくし、グループに賛同する人たちのすそ野を広げてきました。それによって、何か大きなアクションを起こす強力な原動力、「人づくり」が育まれました。

 
「夕焼けプラットホームコンサート」
  ▽拠点づくり
  「拠点づくり」は、まさに”地域づくり”の大きなポイントです。日本で唯一つの・オンリーワン”夕日”をコンセプトに”地域づくり”を進める人々の交流の拠点として、町の中心部の海岸部に地元の特産品を販売する「道の駅」を併設した「シーサイド公園」を設けました。特に若者たちを呼び込むため”夕日”の見えるデートスポットとするため、演出にさまざまな工夫と整備を進めたほか、アウトドアスポーツの拠点としても整備。またイベントを行う場所もオンリーワンをめざして、JR沿線にある下灘駅が”海に最も近い駅・夕日のきれい”という触れ込みで、駅のホームという意外性のあるところを会場に「夕焼けコンサート」を開きました。これには、毎年多くの人が訪れ、人気を呼ぶコンサートとして全国的に知られています。

    ▽住民総参加のまちづくり
  まちづくりを進めるのに当たっては、多くの住民の参加が大切です。住民を参加させるには「今以上に生活が快適になり、より楽しくなる」のでなければなりません。さらに、「自分の町が大好き」でなければなりません。若松さんたちは、他の地域のまねをするのではなく、「オンリーワン」のまちづくりのアイデアと魅力を詰め込んだ青写真を住民に示しました。そして、住民が訪れる人々を歓迎するおもてなしの心を持って花壇づくりをしたり、イベントなどさまざまな事業に参加して町を盛り上げることによって、町の活性化が図れるということを熱心に説明、「町を愛する住民」を動かすことができました。 
    若松さんから”地域づくり”の成功のポイントは、3点セットであるという講義を受けた人たちの多くは、頭の中ではすべてを理解できた気持ちになります。しかし、その知識は分かっても、具体的に”地域づくり”をどのように進めていけばよいのかに取り組もうとしますと、なかなか良い知恵が浮かばず、壁にぶち当たってしまいます。
   「人間牧場」には、こうした参加者の悩みを、時間を気にせず、夜を徹してでも、じっくり話し合える特別な部屋が用意されています。
”地域づくり”の知恵を生みだす「別室
    この部屋は、誰でも気軽にやってきて利用できるシステムになっています。若松さんはここを私設の公民館「煙会所(えんかいしょ)」と名付けています。

 ▽煙会所
  「煙会所」は、四畳半ほどの広さで、中央に囲炉裏があり、車座でフリートークができるようになっています。参加者は、ここで若松塾長を交えて”地域づくり”について、疑問点や押し進め方などについて率直に自分の考えを述べ、塾長などから、考え方ややり方について懇切丁寧な、指導を受けます。こうして議論を重ねることによって、参加者はそのきっかけをつかみ、元気になって、地元へ帰ってゆくのです。しかし、中には、再び課題を持ってここを訪れて指導を受ける人もいます。多くの知恵を生みだす「煙会所」を訪れる人は、年間延べ1500人余に上るということです。
  
「Oh! 元気 ねっと」の注目点 
   若松さんのオンリーワンの”夕日”での”地域づくり”は、原動力となる「人づくり」に多くの時間をかけ、いち早く町の中心の海岸部に「拠点づくり」、さらにほかの地域にない魅力的な町づくりを進める青写真を掲げて住民を説得して「住民総参加のまちづくり」をクリアして、初めて成功をおさめたものです。
   この成功は、過疎に悩む市町村が多くある中で、”地域づくり”は急いでできるものではなく、しっかりとしたリーダーと手順・過程が重要であることを証明しました。
 
双海の夕日と若者たち
▽注目点「地域づくり」の人材育成
  「Oh! 元気 ねっと」では、”地域づくり”を成功させたリーダーが開いた「人間牧場」は、”人・家族・地域の再生”をテーマに、原点に返って自分をしっかり見つめなおす場、家族や仲間のことを思いやる場、そしてお世話になったち地域に感謝する場として、訪れる人々をリフレッシュさせ、元気を与える、全国の”地域づくり”のお手本となる人材を育てる場として、注目しています。


 問い合わせ
 
     「人間牧場」

          (牧場主 若松 進一さん)

       〒799-3204
       愛媛県伊予市双海町上灘甲5391-2


             TEL:089-986-1301

        (HP) http://www.yuuhi.jp

    

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